2010年 6月10日(種別:イレクション)
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まず,目に付くのは木星と土星のオポジションです。すでにセパレートであり,真夏と真冬のような極端な関係でもありません。単純にアフリクトと捉える必要はないでしょう。どちらも重い天体であることから,期間内でのアスペクトの変化は小さなものとなります。
同じく木星と太陽がスクエアです。これは,アプライであることから今後の動向に注意する必要があります。ホラリーの場合,アスペクトがあることが重要なことも多いですが,イレクションとなれば出来るだけスクエアは避けたいところです。
重きをおくハウスと天体
質問の内容から,カレント(質問者)を表す「ハウス1」,仕事を表す「ハウス10」,カレントの資産を表す「ハウス2」を最重要に考えることにします。
同時に,関わる人々を表す「ハウス7」,コミュニケーションと,インターネット・メールを駆使するという意味でも「ハウス3」,幸運を表す「ハウス11」は,アンギュラー・ハウスの次であることから,仕事の対価とも考えられます。ここも疎かにはできないでしょう。そして,占星術ということで「ハウス9」も強められれば言うことはないでしょう。
ハウス内に存在する天体に注意するだけでは不十分です。より大切なのは「ハウス・カスプが指し示すサインのルーラ」(ロード)です。それがハウスのシグニフィケータ(表示星)となります。当然ながら,サインとハウス・カスプが移れば,シグニフィケータは変化していくことになります。イレクションに時間が掛かる理由がここにあります。
ただし,期間内に全てが望み通りになることは稀です。妥協するポイントも必ず出てくるでしょう。逆に期間を設け,妥協することによって,悪戯に時間を消費しないというメリットもあります。その時間の中には鑑定に掛かる時間も含まれます。
プロセス
具体的には,現在のチャートを作り,そこから期間内のサイン,ハウス,天体の動きを,ひとつずつ見ていくことになります。最初は1日単位で全体を見渡し,徐々に間隔を短くしながら。そして,候補になり得ると思える時間帯があれば「品位(ディグニティ)」をチェックします。同時にアスペクトも細かく見ていきます。そこにはコンジャンクションする「恒星」や「アンティシア」も含まれることになります。
この作業は試行錯誤しながら数えきれないチャートを読むことになります。実際に詳細まで読むチャートはそれほどでもないのですが,そこまで絞るプロセスが重要となります。これをレポートに表すことは不可能に近いでしょう。
最終的に決定したチャートを載せます。その解説をもって,鑑定結果としたいと思います。
チャート解説と鑑定結果,そして雑感

最初に懸念された太陽と土星の関係を見ました。期間内に土星より軽い(移動スピードが速い)天体である太陽が水瓶から蟹へ移動します。土星は乙女を移動しません。伝統的な手法ではアスペクトはサイン間によって決まりますから,スクエアとは成りません。太陽が蟹へ移動した瞬間,乙女の土星とは「Cold」なサインで結ばれ親和性を持つからです。ディソシェート・アスペクト(やがてサインを越えれば完成するアスペクト)の反対ですから,最初からスクエアを考慮する必要が無いのかもしれません。しかし,その時点では反発する位置にあるわけですから無視するのも…… このあたりの判断は占星家によって違ってくるのだろうと思います。
それではその日はいつでしょうか? 太陽が蟹へ移動する日は6月21日です。しかし,その瞬間は月がバイア・コンバスタに位置しています。それが過ぎるのが23日へ日付が変わった頃。ですが,今度は,ボイド・オブ・コースです。
また,期間中に金星のアンティシアが,アルゴルとコンジャンクションする時期もありました。これも避けるべきでしょう。
それらをクリアしたのが,先のチャートです。
カレントのシグニフィケータは月です。自身をフォールしていますが,昼夜共通のトリプリシティでディグニティを得ています。ハウス5に位置し PoF とコンジャンクションしていることから,楽しく仕事ができるでしょう。
PoF のディスポジタは火星でハウス3に位置し,太陽とアプライのセクスタイルです。火星はハウス11のロードでもあります。昼夜共通のトリプリシティを得ていますが,同時に木星をデトリメント,金星をフォールしています。
太陽はハウス3のロードで,アセンダントにジャストのコンジャンクションです。コミュニケーション,メッセージ,ネット環境はカレントに向かっています。そして Fruitful サイン位置しています。流動性は味方になるでしょう。
ハウス2には金星が位置しています。ペレグリンで品位は高くありませんが,太陽とトリプリシティでのミューチュアル・レセプションです。ロードは月です。月は残念ながら金星をデトリメントしています。ベネフィックな金星がハウス2に位置することは基本的に良いことです。
仕事を表す,ハウス10のロードは木星です。グレーター・ベネフィックである,その木星がハウス10に位置し,とても良い状態(品位が高い)です。ヘイズでもあります。土星とのオポジションは既に書きましたが,太陽とのスクエアもあります。好ましくないアスペクトではありますが,木星を有頂天にさせないという意味で否定すべき状態ではないと思います。ほかにも木星は土星とパラレルであったり,アンティシアの関係です。ハウス7,ハウス9のロードの土星にとっても,良い影響を与えています。
カレントのシグニフィケータ(月)が,Fruitful サインに位置していることも,とても好ましいチャートです。
私は総合的に判断して「2010年6月23日(水曜日)午前 5時15分」にスタートを切ることにしました。アセンダントの度数が若いとか,土星をアングルに置くことに懸念を感じる占星家もいらっしゃるかもしれません。しかし,太陽をアセンダントに乗せ,あえて地上に置くことで太陽と木星を強めました。結果的に土星にも良い影響を与えることが出来たと思います。
20日間の一瞬を切り抜く作業は思いのほか時間が掛かってしまいました。それでも,注意深く見ることでしか得られないものがここにあります。